2006.08.16
岐阜パルコ、パルコとしては初の完全撤退、30年の歴史に幕。
かつては名古屋からも集客があったという岐阜パルコが、8月20日を以って閉店する。現在解体工事中の新岐阜百貨店(昨年9月に閉店)に続き、名鉄岐阜駅周辺の「顔」とも言うべき大型商業施設が、また一つ消えることになる。
なお、新岐阜百貨店跡地については、経営母体である名鉄が2~3階建ての商業施設をオープンさせる方針を明らかにしているが、パルコ跡地については、今のところその行く末は不透明だと言う。
岐阜パルコが立地するのは、かつての駅ビル「新岐阜百貨店」が同居する名鉄岐阜駅のほぼ正面。駅前広場を持たない同駅は、電車を降りると「即繁華街の交差点」という位置関係だった。高架化と再開発で広大な駅前広場を確保したJR岐阜駅前とは対照的だ。
逆にこの位置関係が、「密度の高い」賑わいを演出するには好都合だった。故に、2人の主役を一気に失う喪失感は大きい。市内を走っていた名鉄の路面電車も昨年廃止となり、マチには悲壮感さえ漂う。
しかし一方では、「日常の買い物は郊外のショッピングセンターの方が便利。本格的な買い物ならば名古屋へ行く。」と言った市民の本音も耳にする。「好景気」を背景に益々求心力を強める「名古屋」への流出と、全国的な傾向である商業集積の「郊外」への流出。JR岐阜駅前とともにマチの「顔」を演じてきた名鉄岐阜駅周辺のまちづくりが今、根本から問われている。
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