2007.09.29
四半世紀が経過した「元祖」未来都市、ポートアイランド。
「その街固有の景観」を語る場合、どうしても外せない街がある。神戸市だ。
その神戸でも、旧市街地の沖合に浮かぶ日本一有名な人口島「ポートアイランド」は、まさにその象徴と言える。
1981年の第一期オープン以来、ここは日本の「未来都市」のモデルであり続けてきた。阪神大震災による液状化の被害、第二期の「不振」、賛否両論の「神戸空港」など、幾多の試練をくくり抜け、四半世紀の「歴史」を重ねた「元祖」未来都市は、既に「クラシカルな神戸固有の景観」にさえ見えてくる。
もう一つの神戸の「顔」、神戸ハーバーランド。
ポートアイランドと並び、「景観の街神戸」のもうひとつの顔と言えるのが、1992年に街開きした「神戸ハーバーランド」だろう。
JR神戸駅のすぐ南、旧湊川貨物駅跡地を開発したこのマチは、今でこそありがちな複合開発に見なくもないが、ガラス張りのビルが林立する「ミニ摩天楼」は、やはり神戸を代表する景観の一つと言える。
確かに、大型店の撤退など、当初の目論見が外れた部分も無い訳ではない。しかし、マチの中心がJR神戸駅周辺から三宮駅周辺に移って久しい神戸にあって、あえて人工的な「新都心」を建設するあたりは、神戸らしいと言えば神戸らしいような気がする。
ミナト神戸が、丘陵に切り開いたマチ、西神ニュータウン。
「ミナト」のイメージが強い神戸だが、実は市の北西部に、丘陵を切り開いて建設した大規模なニュータウンがある。
神戸市が造成の際に大量に発生した土砂を、ポートアイランドなどの埋め立てに利用したことは、あまりにも有名な話だ。
神戸市営地下鉄の終点「西神中央駅」。地下鉄とは言っても、ニュータウン内は殆どの区間で「地上」を走る。初めてこの駅に降り立った人は、ここが想像以上に「大きなマチ」であることに驚くに違いない。
マチの景観には、既にかなりの重層感がある。単なるベッドタウンの中心ではなく、「中心市街地から独立した中心市街地」を形成しているようにさえ見える。
まさに山中に突如として現れた「未来都市」だ。
かつては、その巧みな都市経営で「神戸市株式会社」とまで呼ばれた神戸市。
昨今では、そのあり方に疑問符が投げかけられることも多いが、既にここまで「完成」した神戸固有の景観を、今後どのように「進化」させていくのか、常に時代の先端を走ってきた神戸だけに、その「行方」はおおいに注目されるところだ。
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