2006.02.19
滞在型・定住型リゾートの「真価」
かつては東京ディズニーランドと並び、テーマークの「成功例」として全国的にその名をはせた長崎県・佐世保市のハウステンボス。
まもなく開園から14年、そしてあの衝撃的な経営破たんから丸3年が経過する。更生計画がスタートしてからは、全国紙を賑わす機会は大きく減った。
しかし、耳を澄ませば、「復権」への槌音は、静かに、しかし着実に聞こえてくる。
そもそもハウステンボスは、アトラクション中心の「遊園地」ではない。そこに佇み、暮らすという滞在型・定住型のリゾートだ。14年が経過した今、そのコンセプトにようやく「世の中」が追い付いてきたようだ。
130区画の一戸建ては完売済、120戸のマンションも残5戸のみ
意外に知られていないが、ハウステンボスには「分譲住宅」「賃貸住宅」がある。現在の総数は一戸建てが130区画、マンションが120戸(賃貸60戸、分譲60戸)。2月16日現在、一戸建ては完売済、マンションも残5戸を残すのみだ。既に仲介物件も出回っており、その引き合いも多いと言う。ネットの反響を中心に2日に1人の割合で内覧客も訪れている。
かつては分譲価格が高かったこともあり、9割は法人による購入だったが、現在は9割が個人だと言う。購入の用途も保養所や別荘から「定住」へと大きくシフトしている。
ちなみに購入者の職業は会社経営者が最も多く、次いで医師が2割ほど。前住地は九州が約6割(福岡、長崎など)、残りの4割は東京、大阪が中心だ。
物件の魅力は、何と言ってもハウステンボス一流の「本物志向を徹底させた」欧風の外観と、物件に直結する運河(同様の物件は芦屋、蒲郡にあるのみ)の存在であろう。定住・滞在型のリゾート物件という点では、唯一無二の特徴ある物件と言える。
今年はいよいよ「攻め」の経営へ転換か
ハウステンボス「更正」の中期計画では、総じて「拡大」路線へと転じると予定だと言う。
ハウステンボス全体としては、昨年夏に開業したスパ施設や、世界一の花のリゾートを目指したアートガーデンなどが好評だ。行政と協力し、韓国、中国など外国人観光客の誘致にも力を入れているが、こちらの方も成果を上げていると言う。
住宅に関しては、今のところ新規の計画は発表されていないが、残り少ない残戸が掃ければ当然次の展開も見えてこよう。
今年はいよいよ「攻め」の経営へ転換するのか、ハウステンボスの今後の動向からは目が離せない。
取材協力:ハウステンボス,ハウステンボスリゾート
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